イギリスの代表的なプログレッシブ・ロックバンドの一つであるエマーソン・レイク・アンド・パーマー(略称は「ELP」)のアルバムに、「トリロジー」(1972年発売)というのがあり、その収録曲の中に「ホウダウン」という器楽曲がある。
4分弱の作品ではあるが、アップテンポの軽快なメロディーで私は今でもYouTubeでよく聴く。このLPを買った高校1年生の頃にはレコードの溝が無くなるくらい(?)散々聴いた記憶があった。数年前に改めてYouTubeで視聴できると分かると無性に懐かしくなって、酒を飲んだ時にはタブレットを持ち出して何度もこれを選んでタップしている。
最初に聴いた50年前から気になっていたことがある。主旋律が終わった後奏の時に、フォークダンスのオクラホマミキサーの「さわり」みたいなメロディーが短く挿入されているのである。高校生の時から、ずっとこれを疑問に感じていた。
今になってネットで調べると「ホウダウン」(または「ホーダウン」)とは、英語で「hoedown」と表記され、意味は「アメリカの快活なスクエアダンス」のことを指すようである。これで何故オクラホマミキサーなのかの謎が大体解けた。
ところがである。若い時分から、私が後奏のオクラホマミキサーのところを友達に何度も聴かせてやっても、誰も理解してくれなかった。確か中学校の運動会で男子・女子が手を取り合って踊った記憶があるフォークダンスの音楽である。当時は多感な年頃で、男子は「こんなもの踊れねえ」と言いながらも、これが流れると女子の手を代わる代わる繋いでいたはずだったが…。
*YouTubeのリンク
「Emerson Lake & Palmer-Hoedown (youtube.com)」(3分47秒の曲で終盤の3分12秒の頃に「オクラホマミキサー」がかなり速いリズムで短く流れる)