酔う |
課題「酔う」入選作品 |
選考/本田智彦 2018年8月募集分 |
風の盆三味と胡弓に酔う踊り | 西井 茜雲 | |
岐阜県の郡上八幡の盆踊り、その期間は徹夜で街中を踊り歩く。その中の胡弓の音は何とも言えない哀愁を帯びた音色で耳の底にいつまでも残り酔い痴れる。 | ||
不始末も今は許さぬ酒の上 | 高橋 太一郎 | |
昔は酒の上での揉めごとはまあまあと宥められたり、諦めたりして大目にみていたが、現代は○○ハラとか言われてそんなに軽くは認められなくなった酒は自分を見失うほど飲まぬことだ。 | ||
酒飲めば全身の螺子ゆるみだす | 太秦 三猿 | |
個人差はあるが酒に強い人おぼれる人と弱い人といろいろだ。酒の上で羽目を外して常識外のことしてはいけない。特に男と女の関係、週刊誌のネタになりまっせ。 | ||
ストレスが溜まると酒を一気飲み | 白峯 | |
酔っ払いそこの美人と呼ばれても | 酒井映子 | |
よく出来たなんて自作に酔っている | 寺林 繁 | |
酔わないと告白できぬなやみごと | 繁爺 | |
少しずつ酔わせ本心探り出す | 麦乃 | |
健闘で地元酔わせる甲子園 | 小林祥司 | |
田舎出は人ごみに酔い直ぐ帰郷 | こうせい | |
ただいまのトーンで分かる酔い加減 | 星野睦悟朗 | |
虎ファンの風船に酔う甲子園 | 福田 和人 | |
独り身のゆるりゆるりと燗の番 | 上原 稔 | |
ほんのりと酔って女がこぼれ出る | すずき 善作 | |
もう一度酔ってみたいよ恋の美酒 | 小林 藤太郎 | |
ほろ酔いが一気に覚めるお会計 | 加藤胖 | |
酔うほどに青春の夢遠くなる | 白峯 | |
二日酔いもう飲むまいと誓ったが | 若山貞人 | |
美技に酔う青春かけた甲子園 | えみゆ | |
宴会で上司の隣酔えもせず | 安田 蝸牛 | |
酒よりも熱中症に酔っている | 望月 弘 | |
ふらふらと老いか病か酔うたのか | 城戸幸二 | |
酔ってしか言えないことを仄めかす | 小泉重夫 | |
酔うほどに捨てた故郷が痛み出す | 星野睦悟朗 | |
酔い醒めの水わたくしを赦されよ | 汽水 | |
酔うほどに越えたい壁が高くなる | 城後 朱美 | |
酔うほどにトーンの上がる縄のれん | 福田 和人 | |
酔うほどに君が綺麗に見えてくる | きかん坊 | |
幸せに酔うて居ります初デート | 赤松 重信 | |
何がさて四季には四季の酒に酔い | 美和山吹 | |
ワイキキの浜で酔ったハワイアン | 上山堅坊 | |
君といて同じ空気に酔いしれる | やす坊 | |
お財布の分だけ酔って店を出る | 渋谷重利 | |
あいまいな話が好きな酔っ払い | 真田 義子 | |
酔っている振りして絡む部下がいる | 佐藤彰宏 | |
酔う前に会費集めている幹事 | 西山 竹里 | |
酔ったフリ出来ていたのは若い頃 | 白百合 | |
甲子園ふるさと訛りに酔う気勢 | つれづれ | |
大トラが玄関までは辿り着く | 野川 清 | |
酔うほどに 忘れたいこと 思い出し | ナフタリン | |
キザすぎるセリフ 悪酔いさせられる | 汐海 岬 | |
女子会はノンアルで愚痴盛り上がり | 武藤 宣彦 | |
特級酒だって時には悪く酔う | 松本清展 | |
酔うほどに脚色増える武勇伝 | 岡野 満 | |
ただ酒にしっかり酔って恩返し | 春爺 | |
酔えばまた自慢話がエンドレス | やんちゃん | |
もしかしてトランプいつも酔っている | 柊 無扇 | |
酔う程に貴方の嘘が浮いてくる | 森元 恵美子 | |
月見酒酔うてすすきが歌いだす | つれづれ | |
心地よい言葉に酔って有頂天 | 彦翁 | |
詰問に酔ったふりしてとぼけ口 | すずき 善作 | |
目覚めれば植木等と同じ朝 | クスクス法師 | |